中古車を探していると、「修復歴あり」という表示を目にすることがあります。
これは、単なる小さな傷やへこみを修理した「修理歴」とは異なり、車の価値や安全性に大きく関わる重要な情報です。この記事では、「修復歴」の正確な定義、そして修復歴のある車を購入または売却する際のメリットとデメリットを分かりやすく解説します。1. 「修復歴」の正確な定義とは?車の「修復歴」とは、過去に交通事故や災害などにより、車の骨格(フレーム)部分にダメージを受け、それを修理または交換した経歴を指します。骨格部分(車の「柱」となる部位)一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)や自動車公正取引協議会が定める基準では、以下の8つの部位のいずれか一つでも損傷・修理された場合に「修復歴あり」とみなされます。フレーム(サイドメンバー)クロスメンバーインサイドパネルピラー(柱)ダッシュパネルルーフパネルトランクフロアパネルフロアパネル修理歴との大きな違い修復歴が骨格部分の損傷を指すのに対し、バンパーやドア、フェンダーといった骨格以外のパーツを修理・交換した経歴は「修理歴」と呼ばれます。修理歴は車の走行性能や安全性に大きな影響を与えないため、中古車市場での査定額への影響は限定的です。しかし、修復歴は車の安全性と走行性能の根幹に関わるため、査定額に甚大な影響を与えます。2. 修復歴車のメリット(購入者目線)修復歴車はリスクを伴いますが、その特性を理解した上で購入すると、以下のような大きなメリットがあります。✅ 購入価格が大幅に安いこれが最大のメリットです。修復歴があるというだけで、同じ車種・年式・走行距離の車と比較して、販売価格が通常の20%〜50%程度安くなる傾向があります。予算を抑えてワンランク上の車種に乗りたい方にとっては魅力的な選択肢です。✅ 走行距離や年式が比較的良い車を選べる価格が下がる分、修復歴がない車では手の届かない、新しい年式や少ない走行距離の車両を探すことが可能です。「修復歴を気にしない代わりに、内外装や装備の良さを優先したい」といった場合に有効です。✅ 適切な修理がされていれば問題なく乗れる骨格部分の修理が、専門知識と技術を持つ業者によって適切に行われ、走行性能や安全性が基準を満たしている場合、日常的な使用において大きな問題なく乗れることがほとんどです。3. 修復歴車のデメリット(購入・売却時)修復歴車には価格以上のリスクや制約があるため、購入・売却時には注意が必要です。 安全性・走行性能への懸念直進安定性の低下: 骨格の歪みが完全に修復されていない場合、タイヤの摩耗が早くなったり、まっすぐ走るための安定性(直進性)が低下したりするリスクがあります。安全性能の低下: 衝突安全性が設計通りに機能しない可能性があります。特に大きな衝撃を受けた場合、乗員保護機能が低下している懸念があります。保証の対象外になる: メーカー保証や販売店の保証が、修復歴のある箇所に関しては適用外となるケースが多いです。 売却時に価格が大幅に下がる修復歴車は市場価値が低いため、次に売却する際も査定額が大幅に下がることは避けられません。一般的に、通常の相場よりもさらに安く買い取られることになります。 買い手がつきにくい修復歴車に対して敬遠するユーザーは多いため、売却の際に買い手がなかなか見つからず、売却に時間がかかる、あるいは買い取り自体を断られることがあります。特に人気車種であっても、修復歴があると流通が難しくなるのが現状です。4. 修復歴車を検討する際の注意点修復歴車を購入する場合は、以下の点に特に注意しましょう。修理内容と部位を把握する: どの骨格部位を、どのような修理(交換か板金かなど)をしたのかを、販売店に必ず確認し、書面で残してもらってください。信頼できる販売店を選ぶ: 知識・技術力があり、修復歴に関する情報を包み隠さず提供してくれる信頼性の高い業者から購入しましょう。試乗でチェックする: 可能であれば、試乗を行い、異音がないか、ブレーキの利きはどうか、ハンドルがブレたり流れたりしないかなど、走行性能に違和感がないかを確認しましょう。修復歴車は「安い」という魅力がありますが、その裏にあるリスクを十分に理解し、納得した上で購入することが重要です。車の売却を検討されていますか? 修復歴のある車の査定についても、ぜひご相談ください。
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